人工知能(AI)に税理士の仕事が奪われる?

 2023年5月27日付『朝日新聞』朝刊(東京本社版)は「時時刻刻」で「AIに仕事奪われる 全米脚本家組合がスト」という大型記事を載せました。すさまじい創造性が求められる米ハリウッドの脚本でさえAIが浸食しているという内容です。AIを使うことで、安い費用で、速く、仕上がるのだそうです。

 日本でこの危機感を感じている人はまだまだごく少数ではないでしょうか。日本人は自分が先頭に立って行動するより、周囲を見て大勢の動きに盲従する付和雷同タイプが多いと言われていますから、むべなるかなと言わざるを得ません。

 記事によると、AIの影響を受けやすい主な職業として、上から順番に「数学者」、「税理士」、「会計士・監査役」が出ています。どれも数字を扱う職業ですが、2番目に「税理士」が挙がっているのですから、全米脚本家組合以上の危機感を持って行動を始める時期だと言えます。

 備えあれば憂いなしですし、先手必勝でもあります。

 AIに対抗するために税理士は何をすべきなのか。答えはいろいろあるでしょう。例えば、値下げ競争に巻き込まれないサービスの提供。労多くして功少なしの記帳代行から距離をおく。顧客企業の利益を増やす経営指導をする。

 顧客企業から期待されているのは、利益を増やす経営指導ですが、何をどう指導すればいいか、その知識も技術も持っていない税理士が大半です。

 あなたは経営指導の知識と技術をお持ちですか? もし持っていなければ、持てばいいのです。学べばいいのです。